Facebookとtwitterの新機能から見る今後のWeb世界
先日よりFacebookの新展開が話題になっています。その少し前にはtwitterも新機能を公開していました。
両社に共通するのは「ユーザのアテンション(関心)」情報の獲得と「Webのメタデータ」の蓄積です。
ただし、両者でアプローチが異なります。
このあたりの動きから、Facebookとtwitterの共通項と違い、ひいては「今後のWeb」を見てみたいと思います。
まずFacebookの動きから見てみます。
どのような方向性に行くの?
Facebookは「人とモノ」を結びつけることに注力していきます。
従来は「人と人」のネットワークを指していたソーシャルグラフ。この概念をモノにまで拡張しています。
FacebookのCEOであるザッカーバーグ氏が、先月の開発者会議で言った言葉によると、以下になります。
One of the core ideas of social graph is that a person or object is defined by the other people/things they’re connected to.
「人同士・人とモノの繋がりから、それらの意味づけを行うこと」。
どうやって繋げる?
では、「ヒトとモノ」をどうやって繋げるのか?以下に細かい話ながら仕組みをご紹介します。
従来の「人同士の繋がり」なら簡単でした、お互いが認証するだけ。
では、モノの場合は?
モノの場合は、人が一方通行的にお気に入り(Like)するだけで関係が紐づけられます。先日から話題になっているLikeボタンのことです。
しかし、「モノ」は自分でプロフィールを書いてくれませんから、誰かが書かないといけません。
モノのプロフィール
そこで、モノのプロフィールとしてFacebook内に「Pages」があります。
そこに「Open Graph protocol」という規格で、モノにプロフィールを与えます。これは外部サイトも利用できます。
わかりやすくまとめると、モノ版のプロフィールを「Open Graph protocol」で定義し、「Like」ボタンで紐づけるというような流れになります。
これで「人とモノ」をつなげることができました。
メタデータ
では、モノにどのようなプロフィールを与えることができるか?
わかりやすいところでは、「Like」したブログ記事の「タイトル」や「種類」をメタデータで付与することができます。
他にも例であげられているものとして、「位置情報」として「住所」「郵便番号」など、「コンタクト先」として「メールアドレス」や「電話番号」を付与できます。
どのようにリンクされる
このように「人」と紐づけられたモノは、ユーザのプロフィールに反映されます。
たとえば、今度映画化される「 Sex and the City 2」のページを「Like」すると、自分のプロフィールの「映画」欄に、このページがリンクされます。
↑ 他に「場所」「音楽」「本」なども分類されています(当方の事例)。
また「店」「学校」「食べ物」などにも対応しているようです。
得られるもの
このようにFacebookによって人とコトが結びつけられます。
結びついたコトはユーザが関心ある対象ですし、結びついたコトの情報はメタデータとして蓄積されていきます。
twitterも同じように「ユーザのアテンション」獲得と「メタデータ」蓄積に動いております。
関心事の把握
まず、twitterが先日公開した有料広告機能「Promoted tweet」は、「ユーザの関心事」に基づいた広告の露出を視野に入れています。
現在は「検索語」に関連する広告を表示しています。
そして、将来的には「ユーザがフォローしている人」「ツイート内容」などの要素(=ユーザの関心事)によってカスタマイズされた広告が表示されることになります。
メタデータ
次にメタデータ取得の動きを見てみます。
twitterは4月14日のChirpと呼ばれるカンファレンスで新機能を発表しました。
1つは「@anywhere」というもの。外部サイトがtwitterを埋め込みやすくなるパッケージで、いわばFacebookの「Social Plugin」に近いもの。
そして、さらに大きな意味を持つのが「annotation(注釈)」という機能です。
annotation(注釈)
これは第三者(twitterクライアントやサービスなど)が、ツイートにメタデータを付与できるというもの。
最大512メガバイトもの情報をツイートと別に付与できます。
ただし、表示方法などはまだ健闘中で実装は次四半期以降になります。
どのようなメタデータ?
たとえば、従来のツイートに「温度:20度」「天気:晴れ」といったメタ情報を付与できます。
他にも「感情」というメタデータを用意し、ユーザがツイート時に「笑/泣/悲/怒」から選んで投稿することもできます。そうすれば、ユーザの感情別にツイートを検索することができます。
食べログなどの飲食サイトでは、お気に入りのお店をツイートする機能が付与されていることがあります。その場合、その飲食店の情報(住所や連絡先)をメタデータとして埋め込むことも可能でしょう。
従来の「Favorite数」「RT数」「フォロワー数」などをメタデータ化することも、もちろん対応できます。
他にも「場所」「重要度」といった一般的なメタ情報から、ハッシュタグでも利用される「本」「ドラマ」「URL」といったメタデータ。
応用すれば「外部サイトのプロフィール」「ツイートの影響力」などもメタデータとして付与できます。いわばユーザのアイデア次第で使い方は自由。
twitterはこの蓄積されたannotation(メタデータ)を一般公開する予定。逆にGoogleにとっては「検索できない(しにくい)データ」が増えることになります(twitterのビジネスモデルにも関わってきそう)。
違い
傾向の違い
このように、大きな流れとしては、Facebookもtwitterも「ユーザのアテンション(関心)」の獲得と「Webのメタデータ」の蓄積に向かっています。
ただし、現状の傾向としてFacebookは「ユーザのアテンション」を重視にしているのに対し、twitterは「アクションに付与されるメタデータ」を重視しています。
アテンション取得の違い
また、アテンション取得の違いとしては、Facebookは「Like」ボタンであらゆるものと明示的・固定的に紐づけているのに対し、twitterはツイートやフォロワー、メタデータによって非明示的・流動的に結びつけようとしています。
これは、twitterの「リアルタイムによる流動性」「フォロー/フォロワーによる緩い繋がり」といった機能によって、このような形になっているのでしょう。
メタ情報取得の違い
また、メタ情報に関しても、Facebookは「可視化されているモノ」に対するメタ情報を集めているのに対し、twitterは「可視化されにくいモノ」に対するメタ情報を集めています。
分かりやすく言えば「横に広がり続けるFacebook」、「深さを掘っていくtwitter」とも言えるかも。
終わり
いずれにせよ、この巨大ソーシャルプラットフォームの2社がWebの情報の整理(ルール作り)に動き出しているのは間違いなさそうです。



























