Facebookとtwitterの新機能から見る今後のWeb世界
先日よりFacebookの新展開が話題になっています。その少し前にはtwitterも新機能を公開していました。
両社に共通するのは「ユーザのアテンション(関心)」情報の獲得と「Webのメタデータ」の蓄積です。
ただし、両者でアプローチが異なります。
このあたりの動きから、Facebookとtwitterの共通項と違い、ひいては「今後のWeb」を見てみたいと思います。
twitterのIDからSNSのソーシャルグラフの重み付けを眺める
Facebookの名前リンク
先日より、FacebookがtwitterのID的なものに対応しました。
Facebookではtwitterのように「ステータス(つぶやき等)」を投稿する機能があります。
そこで「@」を入力し、友人の名前をタイプすると、それに合致する友人名が表示されます。
↑ たとえば「@kens」まで打つと「kensuke」氏のプロフィールが表示されます。
アバターオークションからみるバーチャルグッズ市場の盛り上がり
Twitterで見かけたのですが、SNSのアバターが高値で売買されることもあるようです。
たとえば、以下のアバターは38万円で落札されています。
GREE アバター【超希少 白虎】 – Yahoo!オークション
2007年9月ストームガチャレアの白虎です!!!
皆様が目標とされるアバターの一つでもあります☆★
当然、超希少なためほとんど出回っておりません!
これでラストです!!!
身につけた者にしかわからない至福の喜びを
この機会にぜひ味わってください♪
↑ レアアイテムだそうです。
一件しか入札がなかったので調べたところ、過去に1度落札された後、もう一度、ご出品されているようで経緯は不明。
↑ 評判をみたところ、上記のように評価されていました。
他のアバターはどうだろう?と思い、オークファンで調べてみました。
↑ 過去30日で、20万円以上で落札されたアバターは9件ありました。中には80回以上の入札があるものも。
※ただし、これらに実際に金銭のやりとりがあったのかは当方未確認です。
また、Yahoo!オークション自体にも「アバター」というカテゴリがあります。
ヤフオク – アバター < コンピュータ - Yahoo!オークション
バーチャルグッズ市場の盛り上がり
海外でも最近、よく「バーチャルグッズ市場」の盛り上がりニュースを目にします。一説によると、米国では1400億円規模になるという試算も。
SNSのアバターやMMORPGのアイテム、セカンドライフといったメタバースの土地、ソーシャルゲームのアイテムなど、この市場はまだまだ大きくなるようです。
以下もご参考まで。
SNS内の文章が原因で就職面接お断り?
ブログ「かちびと.net」を運営するシロ氏のtweetによると、シロ氏の友人が就職の面接時に「mixiの日記の文章」が原因でお断りされたそう。
引用すると
「~さん、mixiなさっているようですが、文章内の『wwww』って、2ちゃんねるの・・ですよね?ああいったタイプの方は弊社ではお断りしています」って言われたらしい。
とのこと。
このような就職活動などでSNSやブログがチェックされるという話はよく聞く話。
海外でも、LinkedInに「入れ墨」を入れた写真を公開していて面接がNGになった、という話などを見ます。
学生の方にとっては、そろそろ就職活動が本格化する時期。
ソーシャルメディアはこのようなマイナスの印象を与えてしまうこともありますが、うまく使えば武器になることも。うまくご活用くださいまし。May the force be with you
グリーがオープン化へ?「GREE Connect」
CNETによると、春に向けてグリーが「GREE Connect(仮称)」というプラットフォームを公開するとのこと。
どんなプラットフォーム?
名前を聞く限り、「Facebook Connect」のように外部Webサービスが自社サイト内でグリーの認証やソーシャルグラフを利用する仕組みとしての規格のような印象を受けます。
とはいえ
外部の開発者がGREE内のユーザーにアプリケーションを提供可能にすることを検討しているという。
とのことなので、プラットフォームの解放の可能性もあるようです。
もしも、その場合、「どのようなプラットフォームの違いが生まれるのか」も気になるところ。モバゲーは専攻するmixiに対して課金の面の違いやアバター周り、ゲームのフィルタリングなどで違いを出しています。
なお、グリーの代表取締役、田中氏のtwitterはこちら。
UPDATE
公式発表がありました。
グリー株式会社 | ニュースリリース | プレスリリース 2010年 | GREE、プラットフォーム戦略の推進について
やはりポイントは「Facebookコネクトのような仕様」と「プラットフォームの解放」の2点あり、前者は確定。
後者は
外部デロッパーによる「GREE」上でのサービス構築を可能にする検討も含め、プラットフォーム戦略を検討・推進して参ります
とのことなので未確定要素がまだありそうです。
UPDATE 2
GREEでの田中氏のプロフィールは以下。
↑ 人材募集中とのこと。
twitterでの反応は以下。
追記:
タイトルにおいて「オープンソーシャル化」を「オープン化」に修正いたしました。
グリーとミクシィの広告宣伝費を比較してみた

質がいいだけでは、ゲームは売れない?
以下の記事を見かけた。ゲームソフトの売上は「評価の高さ」よりも「マーケティングコスト」との相関関係が強いというもの。
「ゲームのクオリティを上げるより広告にお金をかけるべき」-海外の調査結果 / GameBusiness.jp
この評価はmetacritic.comをベースにしている。Metacriticは、レビューサイトのレビューを総合し、さらに独自のランキングを行っているサイト。たとえば、現在ゲームでランキング1位は「Wiiのスーパーマリオ」。40前後のサイトのレビューを100点評価に戻して比較している。
日本はどうか?
これを見て、思い出したのがグリーの広告宣伝費。グリーはゲームに強い携帯SNSで、昨今はテレビCMも数多くうっている。
IR資料を見ると2009年7月~9月の広告宣伝費は11億円前後。通年では単純計算で44億円。
対して、たとえばソフトバンクモバイルでは627億円前後。ただし、これは2007年のデータなのでiPhoneなどの販促に力を入れている昨今ではもう少し多いかもしれない。
いずれにせよざっくりと言えば、グリーは好感度の高いCMなどを打ち続けているソフトバンクの1/10程度の広告宣伝費を使っているようだ。
また、2009年6月では、大規模なオフラインのプロモーションも実施。渋谷のQフロントやビルボード、ラッピングバスなどを押さえて、渋谷ジャックを行った(詳しくは以下)。
グリー株式会社 | ニュースリリース | プレスリリース 2009年 | GREE、人気のケータイペット「クリノッペ」が渋谷をジャック!
ミクシィはいかが?
対してミクシィ(mixi)の方は、同時期(6月~9月)において広告宣伝費は400万円のみ。年間で1.6億円(グリーの約3.6%)。
しかも、これは恐らくFind-jobの事業における広告宣伝費も含んでということだろう。そう考えると、mixiは殆ど広告宣伝費を使っていないと考えてもいいだろう(ただしmixiアプリのプロモーションは力を入れていくのではないかと思われる)。
モバゲー、グリー、ミクシィとSNS業界は動きが激しいが、このように広告宣伝費から今後の展開を見てみるのはいかがだろうか。
もし、上記の「マーケティングコストがゲームの売上に結びつく」と考えられるならば・・・。
Lang-8のプレミアムに機能追加。有料アカウント事例としていかが?

語学添削SNSの「Lang-8」が、プレミアム機能を追加。
プレミアム料金は月5ドル。以下の機能が可能になる。
- 日記の添削データのダウンロード
- 広告の非表示(先着2000名~
- 日記の強調表示
- 日記の優先席への表示
- 1日のメッセージ送信の上限が無制限に
- マイURL
- 自分の日記検索
- フォトアルバム
PDFファイルとしてダウンロード可能。
日記に背景色が付き、目立つように。
「あなたの添削を待っている日記」の1行目がプレミアムユーザー専用
ポイント
mixiプレミアムの場合、「容量追加」などの機能にポイントが置かれていた。それに対し、Lang-8の今回の追加機能は「より添削されやすいように」という点を訴求したものだろう。Yahoo!オークションの有料枠に近い。
ギフト機能
また、このプレミアム機能はギフトも可能だ。Flickrでのプロアカウントのギフトは私自身、プレゼントに利用したことがある。
ギフト機能の強みとしては、ギフトでプレゼントされた方は「1年(ないし1ヶ月)」は利用できるが、その後は自分で払わなければいけないという点だろう。一度プレミアム機能を使うと、その便利さを知って、更新は自分で払うかもしれない。
こうして、運営者としてはギフト機能によって潜在プレミアムユーザを増やすことができる。
先着機能
また、2000名まで広告非表示機能を提供し、そのカウントダウンをサイトのヘッダーで表示している。

↑ このように、あと何人までOKか?という点を表示し、カウントダウンさせている。
このような手法は、DMなどでも見かける手法だが、場合によって有効だろう。また、「最新のプレミアム加入者」を出すことによって、「実際に払っている人がいる。自分も検討するか?」という点を想起しやすくしている。
さらに、その下にある「寄付」という導線も心憎い。
なお、プレミアム機能の詳細は以下に記載されている。
なお同日公開されたランゲート代表取締役の取材記事は以下からどうぞ。
風雲!ソーシャルアプリ業界
今週はソーシャルアプリ関連の動きが激しい週だった。以下にざっとご紹介。
11月9日
最大手のゲームメーカEAがソーシャルアプリの「PlayFish」を買収。
EA、ソーシャルゲームのPlayfishを3億ドル、プラス1億ドルのアーンアウトで買収
2億7,500万ドルの現金、2,500万ドル相当の株式交換、最高1億ドルの業績連動の対価。総計、4億ドル前後(最大)。
Googleがモバイル広告ネットワークの「AdMob」を買収
Google、7億5千万ドルで携帯広告ネットワークのAdMobを買収
7億5,000万ドル。
cciがコミュニティファクトリーに出資。
cci、コミュニティファクトリーへ出資、mixiアプリで広告展開:MarkeZine(マーケジン)
サイバー・コミュニケーションズ(cci)がmixiアプリなどを手掛けるコミュニティファクトリーに出資。出資金額は不明だが、14.7%の株式を取得。
11月10日
サンシャイン牧場のRekoo日本法人設立
「サンシャイン牧場」のRekoo日本法人設立、街版や深海版も予定 -INTERNET Watch
mixiアプリで多くのユーザを集める「サンシャイン牧場」を運営する中国のRekooは日本法人を設立。
ソーシャルアプリ企業のPlaydomが第三者割当
MySpaceを中心にソーシャルアプリを提供するPlaydomが4,300万ドルの増資を発表。企業価値はプレで2億6,000万ドル。
11月11日
最大手SNSが日本法人設立へ
Facebookは日本で成功するのか? | Real Time Web.jp -リアルタイムウェブ.jp-
すでに上記の記事で書いたが、最大手SNSのFacebookが日本展開を本格化。
12月19日(UPDATE)
Happy Farm、3500万ドルの増資。Draper Fisher Jurvetsonより。
今後の展開
今後、海外のソーシャルアプリプレーヤーとしてはZingaが残っている。上場するという噂は聞いているが、もしそうなるならさらにソーシャルアプリの業界は盛り上がっていくだろう。どれだけの企業価値がつくか見ものだ。
また、日本においては、mixiモバイルが公開され、今後はモバゲーもオープンプラットフォームを展開する。
当分はソーシャルアプリの話題が続きそうだ。
Facebookは日本で成功するのか?

Facebookが日本法人設立へ
11月11日、世界の最大手SNS「Facebook」が、日本法人設立するというニュースを発表した。
Facebookが日本法人設立へ 実名SNSでmixi追撃 – ITmedia News
競合となるのは、日本の最大手SNSである「mixi」だろう。Facebookのアクティブユーザが3億人に対してmixiは2,000万人弱。また日本ユーザでFacebookを利用しているのは100万人前後だ。今回はこの出来事をいくつかの視点から見てみたい。
実名は訴求力となるのか?
上記のインタビューをみると、「Facebookの実名制が今後、普及する。それによって日本でもユーザの利用が進む」という点を強調する。
しかし、「実名」という点が日本のユーザの利用を促進するのか?というと、そう簡単にはいかないだろう。そもそも日本ユーザは匿名を好み、また実名のリスクも知っている。
また、もし日本のユーザが実名を好んだとしても、その「実名」自体が魅力になるとは限らない。というのも、mixiでも実名を利用している人は利用しているし、また、Facebookでも匿名を利用する人は利用しているからだ。何より実名SNSというならば、日本ではグリーが元祖。しかし、結局、携帯に切り替えた現状も一つの参考になるかもしれない。
海外のSNSが日本に進出してどうなったか
過去の事例で言うと、音楽SNSの「MySpace」が最たる例だ。ソフトバンクとジョイントベンチャーを設立したものの結局、大きなユーザ数を抱えずに終わった。また、ビジネスSNSの「LinkedIn」も2年ほど前から日本法人設立の話は出ているものの、結局すすんでいない。中国の検索エンジン「百度」(コミュニティ要素も強い)も今はほとんど話を聞かない。
唯一成功しているといえば、twitterだろう。しかし、これも現在進行形であり予断を許さない。またこれは「適した代替サービスがないからtwitterを利用している」ということも考えられ、今後、amebaなどがミニブログを展開すると、また別の局面を迎えるだろう。
ただし、googleやSkype、最近ではmixiアプリを提供するサンシャイン牧場などは海外勢として日本ユーザを集めている。こう考えると、コミュニティに関しては、海外サービスの分が悪いのではないか。やはり日本人にとって英語が利用されているサービスは抵抗があるのだろう。
そのような点で、Facebookがいかに日本のユーザにアプローチするかは見ものだ。場合によっては日本ユーザのみを切り出して提供することもあるかもしれない(当初はFacebookが大学別に切り出していたことを考えると)。
なぜ日本法人を設立したのか?
それよりも気になるのは、なぜFacebookはわざわざ日本法人を設立したのだろうか?市場としては、より魅力的な国は数多くある。
考えられるのは、「他の国より浸透度が弱い」からこそ、日本を攻めにきたという点だ。というのも、Facebookが世界中のコミュニケーションプラットフォームを狙っている。そう考えると、「日本には浸透しないからいいや」という考えよりも、「まずは、日本でmixiが完全に覇権を握る前に、闘っておこう」と考えるのはあり得る話だ。
もう1つはモバイルだ。Facebookはiphoneアプリやいくつかのモバイルアプローチはしているものの、まだまだ弱い。その点で、モバイルが進んでいる日本の業界に参入し、知見を得ようという企みは考えられるだろう。
他には、twitterが日本法人を展開しているという点も少なからずあるかもしれない。リアルタイムウェブの分野においてFacebookはtwitterと競合にあたる。その点で、twitterがユーザを囲い込む前に、という企みも考えられる。
モバイル
日本でのSNS利用者の過半数はモバイルユーザだ。そう考えるとFacebookもモバイルからの活用が重要となる。
しかし、Facebookの肝であるアプリケーションはPCメインが多い。そう考えると、Facebookの良さを十分には展開できないのではないか?という懸念点が浮かぶ。
もっともだからこそ、わざわざ日本法人を設立したのだろう。それにより、上記のような「モバイル戦略」を他の世界のSNSプレーヤーに先駆けて展開するつもりなのかもしれない。
参考
国際戦略を担当するハビエル・オリバン氏は過去にNTTデータでエンジニアをしていた経験もあるという。その点では日本のSNS業界もある程度は把握しているはず。その上で、この強気の展開には期待してみたいところ。
ニッチSNSの優等生?「イードクタープラス」

これまで、数千のSNSを見てきましたが、日本でこんなエッジの効いたSNSは久しぶり。それが以下のイードクタープラス。
これは、医師と医師を目指す医学生専用のSNS。開始は2008年9月で会員数は2600人だそうです。これまで看護婦専用のSNSや医者専用のSNSは日本でもいくらかありましたが、このイードクタープラスはコンテンツが凄い。
■ここが凄い
おおぅ、と声を出してしまったのが動画。
手術の動画が勢いよく公開されています。お医者さんの解説付き。動画は、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、口腔外科、心臓血管外科、循環器科、乳腺外科などカテゴリにわかれ、100件ほどの動画が確認できました。もちろん血どころか全部公開されていますので、そういうものが苦手な人はご注意をば。しかし、医学生にとってこれはかなり参考になるんではないでしょうか。
そして、医者の生い立ちなどを書いた漫画も公開中。読み物に限らず動画もフル活用したコンテンツです。
■収益源も強い
またここまでターゲットが明確だと広告もニーズがあるようで、医学関連のセミナーやコラーゲンなどの企業のバナーが見受けられます。また、各ユーザのアカウントには「協賛企業」というものが自動でついています。
もっともこちらを運営するリンクスタッフは医学関係の人材派遣の事業をしており、本業への貢献が大きいという判断かとは思いますが。
サイトはOpenPNEを利用しているようですが、「公式医師」「エッセイ」「イベント」など独自のコンテンツも数多くあります。
これまで、日本でターゲットの絞ったSNSは、どうしても母数が少なくなりビジネスとして成り立たないのではないかと思っていましたが、ターゲット次第では、もしかするとうまくまわる世界になってきているのかもしれません。
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